ミミズとニコチンの実験　　

　　　（小林賢二先生の実践　を文章にさせてもらいました）

*用意するもの

ミミズ、シャーレー、ビーカー、タバコ、ろ紙、OHP

*実験方法

ニコチン溶液を作る

ビーカーの中に、タバコ２本を入れ、約40ｍｌくらいの水を加え、タバコの成分を水に溶かす。ろ紙でろ過し、溶液だけ別のビーカーに取る。

＜参考＞

    （OHP の上にシャーレを置いて水を入れてタバコを2 本入れる方法もある）

    （この場合、濾過は必須ではない。タバコの葉をどけて上澄みのみも使えます）

    （「このタバコはどこの国のタバコ？ 日本（２本）だね。当たり！」　）

    （タバコの液が茶色になる。ニコチンが含まれて殺虫剤になることを教える）

シャーレーに水を少量入れ、その中にミミズを３−５匹くらい入れる。

ミミズがシャーレー全体に広がる。OHP の上で、タバコシャーレの脇に置く。

        （はい、みみずさん、皆さんにお辞儀というと本当にお辞儀をしてみえる？！）

スポイトに溶液を取り、ミミズの入ったシャーレーの片隅に一滴ずつ入れる。

ミミズの変化を見る。

        （タバコシャーレから直接、上澄みを注いでもいいようです。）

解剖顕微鏡があれば、用いて観察する。

        （これは、OHP で十分のようです。）

ミミズは、少量の水の入ったシャーレーの中で、緩やかに動いているが、タバコの溶液を加え、溶液がシャーレの中に広がっていくと同時に、ミミズはニコチンの作用により、体全体が収縮して細長くなって、約３倍ぐらいになり、動きも激しくなる。もがく。

        （人間の血管と同じであると説明しよう）

        （ミミズには輪状筋と縦走筋の２つがある。）   

        （最初に輪状筋が収縮してひょろ長く伸びる。）

        （ニコチンに強い筋収縮力があることを説明。）

        （人間の血管もミミズと同じで、細くなって血流がわるくなる）   

        （脳への血流も全身への血流もタバコで悪くなることを説明）

あまり長くない時間で中止して、糸ミミズをきれいな水の中に入れる。

    （はい、ご苦労様。はやくお家へ帰ろうね。とミミズに声をかけて）

    （このまま放置すると、縦走筋が収縮して全長が短くなって出血し、死んでしまう）

    （タバコを吸うたびに一日２０回以上も体の中で血管が収縮、悲鳴をあげている）

解説――――――――――――――――――――――――

ミミズの入手は、釣具店でミミズを入手できます。

時間がない時には、シャーレにタバコで作った，ニコチン溶液を作っております。もう一方は真水

の入ったシャーレを用意しますが，これはミミズの回復用です。ミミズが最後に死んでしまうという殺生をするのを小学生に見せないように気をつけるためです。

しゃべりながら、終わったらミミズは土に戻してやると説明すべきです。さて、元気のいいミミズをニコチン液につけたとたん，ミミズは細くどんどんと伸びていきます。約2 倍から３倍伸びてしまうと思います。この実験をとおして，タバコを吸うことで全身の血管がすぐに収縮してしまい，体にいろんな悪影響が出るということ，心臓にもすみずみの毛細血管にも大きな負担がかかること、体温が下がるなど，など話していきます。このままミミズを放置すると死んでしまうことなど，いろいろと実験を通じて話ができます。ミミズの死を話すことで、話が弾みます。例えば、一本のタバコで、８カ月の赤ちゃんを３人殺せるニコチンの毒性。誤って，赤ちゃんが口の中に入れてしまったときの救急のあり方も述べることができます。大人ではタバコ三本がニコチンの致死量だということなど話せると思います。ニコチンは殺虫剤の有力な成分です。

参考文献など

＜ＶＨＳ＞小学校たばこの害ｼﾘｰｽﾞ１９８７ 学研

３年タバコの煙はどこへ行く

４年たばこの煙には毒がある

５年たばこはどんな影挙をあたえるか

６年学習や運動に悪いたばこ

＜ＶＨＳ＞「たばこは全身病」少年写真新聞社

小学校高学年向き

＜本＞

「新・禁煙教育の手引き」発行学事出版\1600 1993.8

月刊生徒指導７月号特集：すぐ使える禁煙教育プリント教材1990

「スモークマジック」著者：中村正和、高橋浩之問い合わせ先：大阪がん予防検診センター：

320 円

「スモークバスター」著者：中村正和、高橋浩之パステル書房06-6251-3587 定価500 円

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